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攻殻機動隊SAC最終話の引用モトネタ?

特に世間の趨勢とは関係ないけど。ヴィリリオの邦訳読んでたらちょっと気になった。

ええと、攻殻機動隊S.A.C.は超名作。で、タチコマちゃんネタ的にはラス前で大感動&大傑作なわけですけど、全話のまとめというかオチとしての最終話もかなりキテる。超素敵。それに比べると2ndGIGやイノセンスは激萎。レベル的にヒトとサルくらい違う。(でも2ndGIGやイノセンスは映画「APPLESEED」と比べるとサルとシーモンキーくらい違う)

で、その素敵な最終話の後半で通称「笑い男」と少佐が対談するわけですが、その内容について課長は「外部記憶装置の助けがないとついていけない会話だ」とか言うわけですよ。そんで最初見たときに私もちょっとそんな風に思ったり。

「笑い男」が色々なヒトの言葉を引用して、少佐がそれを当てて行く会話なんですけど、引用は以下の人物たちの著作や発言からなんですよ。


ドワノ
J.D. サリンジャー
ジガ・ベルトフ
フレデリック・ジェイムソン
大澤真幸

サリンジャーは「笑い男」や「キャッチャーインザライ」の作者なので、まあ外部記憶装置はなくてもわかりますわな。フレデリック・ジェイムソンは私は「言語の牢獄」の筆者として知ってましたからやっぱり一応誰だかはわかる。大澤真幸センセの著作は一冊も最後まで読み通してないけど(←笑?)何冊か持ってるし、やっぱり誰だかはわかる。なぜ引用されるのかも想像がつく。

そんで「外部記憶装置がないとわからんかったであろう」と思えるのはドワノとジガ・ベルトフ。この二人のこのフレーズをなぜ持って来たのか...はよくわからんかったのですよ。単純にもともと知ってて、それを適切に引用しただけなのか?それにしては嵌りすぎだなあ...とか。

別にここで押井守監督をクサす必要はないけど、彼の引用のダメさ&不適切さ、と比較するとあまりの違いに目眩がするほどなんですよね。

で、最初に戻るわけですが、ボヤヤンと読んでたヴィリリオの邦訳に気になる箇所があったわけですよ。

情報エネルギー化社会―現実空間の解体と速度が作り出す空間」なんですけどね。まずジガ・ベルトフの話題が出てきます。


「私は、私だけに見える世界をみんなに見せるための機械だ」。「カメラを持った男」(一九二九)で有名なジガ・ヴェルトフ[一八九七-一九五四。ソ連の映画監督]はこう書いている。この機械(カメラ)は映画館内に座る観客を、今まで経験したことのない孤独に陥れる。それは大勢の中に居ながら感じる孤独だ。なぜならマルセル・パニョルが語るように、多くの観客のいる映画館の中で、それぞれの観客はまさにたった一人でいるのだから!(p.22)

「笑い男」の引用と一字一句まったく一致してますな。私が知らんだけでものすごく有名なフレーズなのかもしれないけど。っていうか「カメラを持った男」は邦訳されてんのかいな?もとはロシア語なんだから日本語化したときに色々ブレそうだけどね。

そんで、ホゲホゲと読んでたら「第4章 最終技術」の扉にこんな風に書いてある。


「あなたがじっとしていれば、人はあなたに会いにくるだろう」
ドワノ


これも「笑い男」の引用と一字一句同じ。しかもドワノでググってみると全然引っかからない。邦訳だとロベール・ドアノーと普通は呼ばれているみたい。写真家ですね。ただムチャクチャ有名な人ではないみたい。この方なんて「ロベール・ドアノーの名前を知っている人は少ない」って断言してますよ。

で、少佐の発音はねー、何回聞き返しても「ドワノ」か「ドアノ」だよね。「ドアノー」ではない。

なんつーのでしょうねー、元ネタこの本なんじゃねーのーウリウリ!って言いたい(笑)。(補足:S.A.C.の放送開始が2002年10月1日で、この本(邦訳)が出たのが2002年3月なんですよね。微妙...かな?)

ただですね、私は「カンニングなり!」って非難したいわけじゃないんだな。寧ろ良いことだと思う。やっぱS.A.C.をつくった人々は賢いんだなあ〜ステキ〜!としか思わない。

ま、常識的に考えて、餅は餅屋といいますか、専門家でもない人が専門家であるかのように実力(?)で装おうとすると激しいボロがでますわな。自己流とか独学みたいなものでその差を埋めようとするのは無理なわけです。本人は同等のつもりでもプゲラチオなわけで。

だからボロを出さない為にはコピーというか物まねというのはすごく良い戦略だったりする。少なくとも「コレコレが典拠である」というのを用意しておくのは重要なわけですよ。で、やっぱり手堅いことやってたんだなー、と思って感心しました。

だからねー2ndGIGを見て私はちょっと泣きましたよ。あまりにも無惨で。でも1stのすばらしい引用の数々も、ワカラネー人々には2ndGIGとかイノセンスとかのハッタリというか前近代的というか独学というか独りよがりというか、まあアレなだけのギミック的引用と同等に見えてるんですかね。はふ。

そういえば、リンクはしませんけど、誰かのブログに「笑い男の動機が弱いなあ、病気の妹のためとかそういうのにしてくれないと」みたいなダメ出しが書いてあったのを見たんですよ。妹萌え〜ってやつですかね。知らんけど。良いモノつくっていくのも大変だなあ、と思った。

ブログで感想書いてた人は単なる一ファン(?)だから別に良いけど、製作スタッフの上の方とかにもこんな程度(←失礼おほほ)なのがたくさんいるんだろうしな。

そんな感じ。

(念のため以下補足)
攻殻機動隊とAPPLESEEDはともに原作者は士郎正宗。

攻殻機動隊を最初に映像化したのは押井守。原作とは違って生真面目ジメジメ風味になっている。サイバーパンク的には許されないというか間違いといって良い解釈が多数あるが、一般にはウケた。

攻殻機動隊の劇場公開用二作目が「イノセンス」。押井守監督。口汚い発言は自粛したいのであまり説明できない。この映画の質などを巡る象徴的なセリフは「人形の気持ちを考えろー」。正直ショック死するかと思った(萎)。

攻殻機動隊Stand Alone Complex(S.A.C.)はテレビシリーズ。神山健治監督。どこまでも褒め続けてしまいそうなのであまり説明できない(笑)。

攻殻機動隊S.A.C.2ndGIGはS.A.C.の続篇テレビシリース。神山健治監督...なのだが押井守監修になってしまっている。期待を裏切る超ガッカリ作。ネジリ頭とか女首相とか。S.A.C.と2ndGIGの登場順が逆だったらこんなにムカつかないかもしれんけどね。

映画「APPLESEED」。「ピンポン」の監督がプロデューサーと聞いて期待したが、もう、常軌を逸したクソ作品。アヘンチンキ無しでは痛すぎて語れない(無いので語らない)。おかげで「ピンポン」さえ駄作に見えて来た。虫も殺せない私でもこの映画のスタッフなら(ry

ちなみに公式ページトップになぜか筑紫哲也の文字が。

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