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バカボムの行方

一日遅れで微妙な終戦ネタ。かなり妄想含みですけど。

ええと、バカボムというものがあります。英語でBAKA BOMB。元祖天才バカボンのバカボンと発音が似てますけど、公式にはバカボンはバガボンドが由来らしいので、まあ、アレです。

昔はこの言葉は辞書にも載ってたらしく『日本語からみた英語』長谷川潔(1976、サイマル出版会)で筆者が「なんでこんな言葉が?」みたいな感想を書いていたような記憶も薄らあります。

そんで、米軍が日本の特攻ロケット機「桜花」のことを指してこう呼んでたらしいですが、今ネットでググってもほとんど引っかかっては来ない模様。時折ハンドルに使っている不心得者がいる程度ですかね。言葉としてはほとんど消滅しているのかな、という感じ。911のときとかにカミカゼと言ってたのはよく聞きましたけど、バカボムは聞いた覚えがありません。

で、このバカボム呼ばわりされてた「桜花」なんですけど、この後継者(?)についてちょっと思うところなどがあるので、書いてみます。

ですが、その前に「特攻」について少々。

911のあたりで、まあ私なんかも当時はまだNHK(主に衛星)とかを見る習慣があったので、ホゲホゲ見てたら、スペインあたりのニュースで厚化粧のキャスターがカミカゼとか言ってやがったんですよ。テロリストと一緒にすんなっつーの!!とキレましたわ。キレただけですけど(←ダメじゃん)。

で、あと当時フランス留学中の人が「カミカゼ」とか現地で言われると悲しい、とか感想を述べてた記憶があったりもする。ただどう「悲しい」のか説明してなかったのでアレですけど。たぶん当の本人がいわゆる「カミカゼ」というのがどういうものだったか全く知らなかったんじゃないかな。だから何も言えず、ただ「悲しい」という気分を表明するだけになってしまってたんじゃないかと。

ま、日本人で若くて女子だとまず知らんですわな。ただフランスでは「ゼロ戦―沖縄・パリ・幻の愛」なんて小説もあったりして、少数意見だけどこんなことも書いてある。


「彼らの自己犠牲の爆音は、今後も、人々の精神にながく谺しつづけることであろう。ナポレオンの近衛兵士であれ、アメリカの海軍軍人であれ、世の軍人たる者はすべて、自らの大義に仕えるとともに、自らの命を救うという、ふたつの意図を担っている。ところが、彼らカミカゼたちはひたすら、確実な死に向かって飛び立っていくのみである。日本軍降伏の知らせを受けたとき、ウガキ中将は、九州の基地から二十人ほどの特攻隊員とともに飛び立ち、帰還の道を捨てて、夜の闇に消え去った」ここで、彼は講義を中断せざるを得なかった。マイクの雑音に彼の声が没してしまったのだ。その発生源がなにであるか、わたしには疑う余地がなかった。技師がやってくるのを待つあいだに、隣の人をふり返って言った。「あのカミカゼたちって、すばらしいと思わない?」「あんなの化け物だわよ、言って良ければ」「わたしはあの人たちが好きよ、わたしもウガキ中将みたいにやってみたかったわ」唖然としている相手のまなざしを前にして自分は周囲の人たちとどれほど隔たっていることかと、わたしは実感した。

ええと、講義をしているのはベルタンというマルキストの教授。雑音の原因は「わたし」が取り憑かれている特攻隊員ツルカワの幻覚というか亡霊というかそういうものだってことらしい。ただ、まあ、結局この「わたし」もトラックに突っ込んで自殺しようとするんだけど果たせず云々...みたいなことで、やっぱり何か取り違っている感じの話なんですけどね。1996年のゴンクール賞受賞作品だそうで。

あと補足すると、ウガキ中将というのは実在の宇垣纏中将のことで、マジで終戦後、彗星艦爆に搭乗して特攻をやってます(階級章も外してひとりの私兵として)。米軍の記録によるとテンダー水上機母艦というのを小破したとか。ただ当然のことながら道連れにした隊員たちの遺族には猛烈に恨まれているとか。もう戦争は終わっていたわけで、死ななくても良い人たちを死なせてしまったわけですからね。このあたりの話は「最後の特攻機―覆面の総指揮官宇垣纒」に詳しく載ってますし、こちらにも詳細があります。

その他にはヴェンダースの映画「さすらい」でもなんかムチャクチャな加速をして池にクルマで飛び込んだ男のことをカミカゼって呼んでたし、まあ、なんつーのか自暴自棄になってムチャクチャで無意味な自殺行為を行うことがカミカゼという認識なんでしょう。

また最近はアラブの方で密やかに人気だとか。やっぱり911後の特番か何かでみたんですけどね。ただ自暴自棄になっての自殺攻撃(人ごみで人間爆弾を爆発させるヤツ)と日本軍の特攻っていうのは全く性質が違うと思うんですけど、どうなんですかね。外務省とか細かく抗議すべきだと思うのだけど。

まず、カミカゼは個人の自由意志でやってたわけじゃないですよね。選択の余地はないわけですよ。自らの思想信条でやっているわけではない。軍隊の作戦なんだから命令に従っているわけですよ。だから個々の隊員が自暴自棄になっているわけでもヤケクソになっているわけでもない。彼らが所属している軍隊の行動としてはヤケクソ&自暴自棄だけどね。

なんつーのかなー、テロで自殺攻撃やってる連中は個々人が好きでやってるわけでしょ。そりゃあそうするまでにいたる事情ってのもあるかもしれないけどさ。それにさ、民間人が普通に暮らしている空間でテロが出来るのは、彼らが曲がりなりにも受け入れられていたからでさ、どうなのそれ?相手の善意を利用してテロやってるってことでしょ。最悪じゃね?で、思うのだけど、あんなことやって、彼らと同じ集団に属する人間に恩恵はあるのかね、と問いたい。

まあ旧日本軍の特攻に関しても色々意見はあるようですけどね。たとえば特攻隊員の真実というところをみると、実際に特攻隊員に選抜されて出撃に向かう途中で終戦を迎えたホンモノの生き残り特攻隊員の方の意見を読む事ができます。


だまされないでください。戦争も、そして軍隊も、小林よしのりが考えているようなものとは違います。特攻隊当時はもちろん、海軍兵学校当時も、小林よしのりのような無邪気な「純枠まっすぐ君」は私の周囲に一人もいませんでした。みんな自分の行く手に「死」を見ていたからです。「死」に対して無知で鈍感な者だけが、戦争を賛美できるのです。

これは本当にそうなんでしょうね。「『死』に対して無知で鈍感な者だけが戦争を賛美できる」とありますけど、要するに「自分が」死ぬということの意味を理解しない、自分だけは死なないと思っているような人間だけが戦争を賛美できる、ってことですかね。それは確かに想像力の欠如としか言いようがない。

でも戦争を賛美することと、特攻隊員の行った行為を賛美(←この言葉は不適切かも)することはまた別なんじゃないか?と私は思ってます。

私が特攻隊のことを知るようになったのは小学生くらいのときでしょうか。当時の子どもの屋内遊びでは軍艦や戦車のプラモデルを造るのが主流派だったので、それに関連した書籍も自然と読むようになるわけです。で、戦艦大和が表紙の本をアレコレ読んでいると、まあ大抵はそれは戦記物で、大体サイパン陥落から敗戦くらいまでの時期を扱うものだったりするわけですよ。

色々な人が書いたサイパン戦、フィリピン戦、沖縄戦あたりの話を繰り返し読むわけですね。興味の中心はメカなんだけど、それ以外の部分も読むわけで。

そうすると必ず「カミカゼ」の話も入ってくるわけですよ。あと陸戦でも「バンザイ突撃」とか。民間人も追い詰められて青酸カリを飲んで自殺したり、崖から飛び降りたりとか色々。とにかく悲惨なわけですよ。

こういう本は基本的に反戦というか日本軍について批判的姿勢で書かれているものばっかりなので、そのことが妙なリアルさというか信憑性を補強してた感じもあって、記述されている内容に強い影響を受けたんじゃないかと思います。

特にカミカゼというか神風特攻隊は、小学生にも身近な十代とかで死んでいってるということもあって、もうこれはね、キましたよ。ほんとなんか自分が普通に生きていることが申し訳なくて。ノチノニホンニサカエアレ!とか遺言されるとね、ノチノニホンって自分等宛ってことじゃん!みたいな。(参考:誰が作ったのか知りませんけどこんなフラッシュもありますね。ちょっと煽り過ぎな感じですけど)

特攻隊員の生き残りの方が書いているように「ノチノニホンニサカエアレ」ってのなんかも本心かどうかはもうわからないんですけど、ただそう言い残してたくさんの人たちが死んでいったという事実は残っていて、それを伝え読んだ私の心には何か響くモノがある。

「ジョジョの奇妙な冒険」でいえば(←?)


おれが最期にみせるのは
代代受け継いだ
未来にたくす
ツェペリ魂だ!
人間の魂だ!

というシーザーの最期あたりのセリフみたいな。ジョジョオタ以外には分かりにくいでしょうけど。

そんで、このあたりの話は書くとまあ、猛烈に長くなるのでここではやめておきますね。

ええと、脇の話を長々書いてしまったんですけど、もとに戻して冒頭のバカボムの行方の話。これはまあ妄想なんですけど、実はベルX-1に受け継がれているのではあるまいか!(←エエーッ!な、なんだってーっ!)

解説しよう!ベルX-1とはこういうものだ!こちらにスゲー詳しい解説がありますので御覧ください(←他人任せかよ!)。公式に人類が初めてサウンドバリアを突破して超音速の世界に入ったときの飛行機ですよ。映画「ライトスタッフ」にも出て来てかなり有名な話ではありますけどね。伝説のテストパイロット、チャックイェーガーの愛妻(グラマラス)グレニスの名前が付けられたロケット機です。

で、妄想を炸裂させるとバカボム呼ばわりされた桜花とこのベルX-1はちょっと似ている。まず運用のされ方が似ている。

桜花は一式陸攻や銀河のような母機に積まれて空に運ばれていくのですな。で、空中で切り離されてロケット噴射で飛んで行くと。

ベルX-1も同じく母機によって空中に運ばれて、そこから分離してぶっ飛んでいくと。ま、桜花と違って着陸はできるので(←桜花は着陸の必要はないわけで...涙)そこがちょっと違うかな。

まあ、正直ロケットエンジンといっても桜花とX-1じゃあ比べるのもアレなんだけど。秋水だったら非公式には世界初の超音速機となったMe163と同じような機体なのでアレなんだけど。アレアレじゃあ意味わからんのだけど。

ただMe163とかをナチドイツが母機から発射したという話も聞かないので、母機からロケット機を発射するというシステムの起源はウリ...じゃなかった我が国であーる!と主張したい。

で、桜花はほとんどが発射前に母機ごと撃墜されてしまったとか悲惨な話も聞くし、うまく発射された場合でも結局は海面に激突するか、相手艦船に激突するか...どうあっても激突死がまってるだけだったんですけど、なんというのでしょうね、同じようなシステムだから、無理矢理後継者(?)認定すると、X-1はサウンドバリアに激突していって、見事それを抜けて超音速の世界に到達したわけで。

桜花もX-1も何かに向かって激突するための機体で、桜花の先には死と破壊しかなかったけど、X-1は未知の世界に突き抜けていった...みたいな。なんつーのか、「桜花」で無念の思いをした多くの人たちも微妙に成仏できたんじゃないのかな、とか妄想したり。

ちなみにリンク先のページをずーっと下の方まで見て行きますと驚くべき情報がっ!


以下は後日談である。
 世界最速の男は将軍になり、既に70代を超えた・・・のだが、なんとまだ飛行機乗りとして頑張っていた!!(略)引退を考えていた彼に空軍は「音速飛行」というプレゼントを思い立った。それもXS−1が音速突破に成功してちょうど50年経つ1997年10月14日10時29分にである。
 エドワーズ空軍基地オープンハウス・・・そして米空軍設立50周年でもあるその日1000人の軍、報道関係者が見守る中、イェーガーはF−15D(コンフォーマルタンク付)の前席に乗り込んだ。もちろんXS−1とF−15では操縦の勝手はまるきり違うだろうが、流石テストパイロット、イェーガー。彼は自らF−15を操縦し10時29分に再び音速の壁を・・・しかし50年前とは比較にならないほど簡単にブチ破ってみせた。

すげえ。すげえとしか言いようがない(笑)。良い話だ。

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だけど、特攻機の後継者には嫌なヤツもいるようで。ネットでウロウロ眺めてたら私と同じような感想を持つ人もいるみたいでしたけど、人間が操縦しない「特攻機」が今かなり効果的な兵器として多用されてるようなんですよ。

巡航ミサイルってヤツです。まあこっちはロケット機じゃないんですけどね。巡航中はターボジェットを使っているみたい。ググってみると色々解説しているところはあります。米軍のトマホークについてとか巡航ミサイルとは何かとか。

要するに地形データと自身に内蔵されたカメラに写る映像とを比較して正確に長距離を飛行して正確に体当たりするという兵器みたいです。ロボット特攻機って感じかな。潜水艦からとか艦船からとかB52のような巨大爆撃機からとか発射できるみたい。

なんかね。ちょっと古いけどこのWiredの記事なんかを読むと、巡航ミサイルの高速化、ロケット機化が推進されているみたいですね。

桜花→X-1後継者説は夢があるけど、こっちはねえ。なんだかなあ。

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