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有名ブログのネタについて発言したくなる病を更に大げさな話にしてみる

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例によって「はてな」のシステムはよくわかっていないのでチョット心配なのですが、id:matsunagaさんからこの記事にTBを戴いたようです。このような恐ろしげな場所からなんですけど。

以下、id:matsunagaさんの記事に返答しつつ、更に大げさに、といいますか大きな枠組みに結びつけて語ってみたいと思います。

id:matsunagaさんはまず、このようにおっしゃってます。


とりあえず自分としては「恋愛症候群」程度の意味でしか言ってないし、そこまでネガティブな意味合いを込めた覚えもない。

「『恋愛症候群』程度の意味」というのをどう捉えて良いのか悩むところです。軽い比喩である、というような意味でしょうか。アスペルガー症候群とかそういう深刻な病のレベルではなくて。

それはもちろんそうだと思います。私もそう受け取っています。ただ、そうであっても病と呼んだり名指すことの問題点というのは回避できないのではないかと考えています。

ある状態を「病気」と呼ぶのはそれが「正常な状態からの逸脱」であると規定することです。そして正常で健康な状態というのが望ましいものであり、異常な病気は排除されるか是正されなければいけないものとされます。

「恋愛症候群」(さだまさしの歌?)がどういうものかはよくわかりませんが、ある人を「恋愛症候群である」と名指す行為は同時に「お前が行っている恋愛行為への頻度や取り組み方は異常であり、そのように熱心に取り組むことはやめて恋愛に対して程々である正常状態に是正されねばならない」と勧告していることになります。

「結婚しないかもしれない症候群」なら「結婚しないかもしれないと思っているのを是正して正常に結婚を希求せよ」ってことでしょうし、古いところではピーターパンシンドロームは「いつまでも子どもでいたいとか思うのは異常なんだから正常に大人になることを希求せよ」だし、青い鳥症候群は「いつまでも夢を追っているのは異常だから正常に諦めろ」ってことだと思います。

単にそういう人がいるという指摘ではなく、それに病気や症候群の喩を使ってしまうと名指された人への是正圧力がかかってしまいます。たとえ喩であっても、ある状況を名指すことで病気や症候群化しているわけです。この点はやはり問題ではないでしょうか。ここにこんな指摘もありますし。


ピーター・L・バーガーらは「現実の心理学化」ということをいっている。「○×シンドローム」という言葉ができると人は世界をそんな風にしか見なくなる。言葉が新しい現実を作りだし、この現実が心理学の正しさを証明しているように見せるから、ますます、心理学の用語は社会を説明したくなるのである。(略)「○×シンドローム」といわれたら、「だからどうなの?」と聞き返す姿勢も大切かもしれない。

またid:matsunagaさんは「病」と呼んで揶揄する対象の実際についてこんな風に書いています。

「言ったことが本当にどうでもいい一言コメントだったり、一部分しか読んでない印象による感想だったり」という傾向について揶揄されているというべきか。

正確には「有名ブログ(サイト)のネタについてどうでもいい一言コメントや印象による感想を付けたくなる病」だということでしょうか。確かにこういうのがウザイという心情は良くわかるのですけど、やっぱり病の喩を用いて揶揄することの問題はあるんじゃないか?と思います。

それは以下のように回避のメタゲーム(?)が進行するのを予測できるからです。

「一言コメント病」と揶揄
 ↓
(病を避けて長文感想増加)
 ↓
「長文感想病」と揶揄
 ↓
(病を避けて程々の長さの記事増加)
 ↓
「程々病」と揶揄
 ↓
(病を避けて敢て一言コメントや長文感想増加)
 ↓
「裏程々病」と揶揄
 ↓
(略)

病気だと揶揄することで是正を促す圧力が生じるので、人々の執筆行動様式に変化が生じると予測できます。実際には文章の長さだけではなくて、もっと色々複雑な要素が絡むのでしょうけど。

そしてこのメタゲーム(?)の問題は、これが際限なく続く右往左往を生み出すだけだ、という点です。それは、これが「病=異常」の指摘はするが「健康=正常」とは何か、を全く規定していないゲームであるからです。

この性質は逆色鬼的と言えば良いのか。色鬼では鬼に指定された色に触ることで安全になりますけど、このゲームでは鬼に指摘(指定)された色に触っているとアウトになるので、大急ぎで別の行動様式(色)をとらないといけなくなります。その上新たに選択された別の行動様式も次の瞬間にはまたアウト指定されてしまうわけです。それが延々と続く。

もっと言えば「このゲームがバカバカしいから降りる」「鬼の指定を無視する」という行動様式の選択さえアウト指定される可能性があり、そう考えれば一度開始されてしまったら最後、このゲームの外部は消失して参加者は永遠に閉じ込められるのかな、とも思います。メタゲームというのはそういうものかもしれませんけど。

このように正常とは何か?が失念されているために際限なくメタゲームが続く、というのはなんとなく、メインカルチャーの消失によってすべてが逃れよう無くサブカルチャー化する...という話と関係しそうにも思えます。

サブカルチャーの場合は自ら「異常」を希求して「正常」との差異を主張したがる点では指向性は逆なはずなんですけど。それでも「確固たる正常」が消失している点は共通しているので(「正常」が無いのでカウンターカルチャーとは呼び難い)、この状況下では常に「暫定的な正常」が多数の人に選択されるもの、として規定されているようです。

多数が集まってくると、その場や状態について類型化が進み、なんとなく大多数に支持されるスタイルが出来る。しかしそれはメインカルチャーに昇華するのではなく、忌み嫌われるべき「正常」(正常こそが避けられるべき病ということ?)として逆色鬼が指定した色になってしまうわけです。皆がそれぞれ他者との「差異」を求めて別の場や状態に向かって逃げる。逃げた先がまた「正常」化して「差異」が消失する。そうなると「差異」を求めて散る、という繰り返し。

「有名ブログのネタについて発言したくなる病」の提唱者(?)であるid:kanoseさんのこの記事で「DIME」遊びというのが紹介されています。DIMEについてのまとめはこちらのようなんですけど。「DIME」遊びというのは以下のようなメタゲームらしいです。


「DIME」遊びは、DIME。
「DIME遊びは、DIME。」なんてこと言う奴が逆にDIME。
「「DIME遊びは、DIME。」なんてこと言う奴が逆にDIME。」なんてこと言う奴が実際にはDIME。
「「「「DIME」遊びは、DIME。」なんてこと言う奴が逆にDIME。」なんてこと言う奴が実際にはDIME。」なんてこと言う奴が真のDIME。

また、DIMEというのは「DIMEという雑誌を読んでいそうな人たち」という意味らしいのですけど、よくはわかりません。id:amiyosidaさんの記事にはこんな風に出てます。

偏見ですがDIME人は30代の男性で男の隠れ家で男の料理で週末にはホームパーティでアップル信者で、デザイン重視で、ネットで情報収集で、ヤフオクで中古の外車を買っちゃったり、ファミコン柄のGBASPに萌える一方、アニメとかオタクとかバカにしてて、ブルータスで、カレーには一家言あって、マンガなんてほとんど読まないクセにホムンクルスとバカボンドは読んでいて、でも結婚するなら肉じゃがとか作ってくれる家庭的な娘が好みなんだけど、浮気するなら乙葉みたいなエロい感じの娘がいいと思ってて、アデランスのCMなんかドッキュンドッキュン来ちゃうわけで、後退しつつある頭をちょっとだけ気にしてたりして、洋服はブランドモノが好きで(イヤラシイブランドブランドしたものは嫌いあくまでもものがいいから、ブランドモノを着ているって言うはず)、メガネも3万円くらいして、行きつけの蕎麦屋があって、上司をうまくやりくるめるのでそこそこ出世して、恋も遊びも仕事もエンジョイしまくりな男性なんだと思う。

id:amiyoshidaさんも「でも、私はそういう人は嫌いではない。むしろ好き!」と書いてますけど、ある時点までは(上に書かれている内容全部とは言いませんけど)他者とのカッコイイ「差異」であったものが、類型化されて陳腐化してしまっている例なんじゃないかと思います。アリガチと指摘された瞬間にダメ化(逆色鬼に指定されてしまう)するってことなんじゃないですかね。

もう長々書いて来てなんだかわけわかんなくなって来たのでこの辺で強引にマトメますけど、こういう際限なく逃れようもないメタゲームが大好きな人ってポストモダンな感じで素敵よね(←エエーッ!)。

(っつーか、眠い、マズい。id:matsunagaさんに構ってもらって張り切りすぎた。あとで書き直すと思うけどとりあえずこのまま公開しておきます。←!)

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Tracked on July 13, 2005 at 08:30 AM

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