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サリンジャーはB型向け

村上春樹訳のキャッチャーインザライを読んでそう思った。

赤の他人の叙勲記念図書カード(1000円分)を貰ったのでものすごくくだらない本を買おうと思って「あ、ライ麦にしとくか!」と即断しました。サリンジャーって今まで避けてたのでこの際(?)読んでみようかと。

野崎訳の白水社Uブックスだと850円、村上春樹訳だと1500円なのですが後者にしておきました。結局500円は自腹ですけど・・・。前者の訳がしょーもないのはタイトルの誤訳だけで十分伺い知れますからね。「ライ麦畑でつかまえて」というより「ライ麦畑の捕まえ手」でしょと言われているのは昔からよく聞いてましたし。

この手の誤タイトルではエーコの「薔薇の名前」が「薔薇という名前」にすべきだったりとかありますよね。名前忘れたけど訳者の人が「エーコは小説家としては素人ですから私が日本語版では小説としてちゃんと読めるように書き換えてあげた」というようなことを(たぶん)素面で言っているのをこの耳で聞いたことがあります。まさにクレイジー。

そんでキャッチャーインザライですけどね、これが「大好きだ!」という人が割とたくさんいるのは知っていたんですよ。でも内容がこんなだっていうのは全然知らなかったのでホントにもう驚きました。これが好きっていう人間が存在するってことだけでも信じがたいのにそれがたくさんいるなんて。

この手の一人称視点の語り手が設定されている小説を読むときにはどうしても読み手は語り手の内面、彼の身体の裏側から彼の目や感覚を通して追体験するように読まなきゃならないじゃないですか。で、あまりに語り手と読み手の感性に違いがあると猛烈なアレルギーを起こして苦痛になったりするわけです。逆の場合はなんかこうあまりにピッタリでフィクションと現実の識別回路がイカレたりするわけですけどね。

で、私の場合、激しく苦痛でした。あんまり苦痛なのでこれは最後まで一気に読まないとずーっと嫌な気持ちのまま生活せざるを得ないと思って堪えながら読みましたよ。まさに苦行。

ホールデンへの感情移入率というかシンクロ率は0というかマイナス。嘘つきで自分勝手。しかも都合が悪くなると泣く。無駄に他人を罵倒してわめき散らしてケンカを売るくせにいくじなしで臆病。他者(女の子を含む)を蔑視して相手をイラつかせて自分もイラつくのに一緒にいたがったりしつつ自分の勝手な気分の推移に合わせてくれないとすぐ嫌になって突っかかる等々。あと幼児好きとかね。さらに間抜けで意識的&無意識的の両方で迷惑をかけまくる・・・とかさ。

これに感情移入できる人ってどういう人間なんだ?というのは私としては当然の疑問だと思うんだけど。っていうかこれが「好き」だと公言している人間ってどうなん?

あ〜、でも村上春樹は好きだからこそ翻訳とかやっているんですよね(←イイカゲンな人間に興味あるだけかも?)。彼が初期の作品で参考にしたとおぼしきカートヴォネガットJr. とかは私も好きなんですよ。ヴォネガットの作品も大抵ダメな人間とか情けない人間が出てくるけどこっちは全然嫌じゃない。

村上春樹を研究したものを読んだりしているわけではないので確信はないけど「風の歌を聴け」の挿絵の入れ方とか「チャンピオンたちの朝食」と似ているとは思う。でもヴォネガットはオチに向かってものすごく見事に仕掛けていく作風だからそのあたりは全然違うと言ってよいかも。村上春樹は基本的に投げっぱなしというか、まあ日本の作家は(私の知っている限りではほぼ全員)投げっぱなしが基本ですからしかたがないけど。

初期の作品では「タイタンの妖女」とかがSFにアレルギーの無い人には良いかも。SF嫌いの人は「青ひげ」とか良いと思うなあ。現代美術ネタの小説としても秀逸。ヴォネガット好きとは友達になれそうだと思う。村上春樹好きには色々いるから判断はつかないな(←村上春樹&血液型でググったらやたらとどこの馬の骨ともわからんやつらのプロフィールにひかかってウンザリした。村上春樹には同情するよ、マジで)。サリンジャーは絶対駄目だ。だって今回読んだ本の最後に

本書には訳者の解説が加えられる予定でしたが、原著者の要請により、また契約の条項に基づき、それが不可能になりました。残念ですが、ご理解いただければ幸甚です。

って書いてあったんですよ。ホールデン級の嫌なヤツだと確信しましたよ、サリンジャーは。

で、こういう人間って血液型占いでよく「B型」って分類されるタイプですよね。ABO型血液分類と性格の相関関係は似非科学の最たるものとされているのでアレですけど、「B型」分類に適合する人間は確かに実際にいると思います。そういう人間の血液型が何型かどうかは別にしてということですが。

そんで微妙に時事ニュースとの関連で言っておくと血液型占い番組に抗議だそうな。

特定の血液型を「いい加減な性格の持ち主」「二重人格」などと決めつける内容が目立ち、NHKと民放が設立した第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」には、視聴者から「子供が血液型でいじめを受けた」「一方的な決め付けで不快」などの抗議が4月以降、50件以上寄せられた。

とのことですが「いい加減な性格の持ち主」っていうのがB型で「二重人格」っていうのがAB型のことらしい。どっちもB因子(?)が入ってますね。

今頃なんで血液型占いが?ということですけど、しばらく前に見たJMMの記事に「韓国では今B型人間排斥がさかん」っていうのがありました。歌とかも作られているとか。これも韓流ってヤツの一環ですかね。

ま、そうはいってもやっぱり「B型」とは合わんなあ。ホールデン型の人間とつきあって不快感以外の何かを得るとは考えにくいし。そういえばココログをやっている室井佑月さんもB型(←血液型も詐称の可能性があるので人間のタイプとして)でなんか揉めてたなと思ったり・・・。飛び抜けた才能でもあれば相殺されんのかもしれんけど、付き合いニクいのは事実っぽいなあ。

更に付け足すとB型人間ってたぶんトムとジェリーではジェリーに感情移入するんだと思う。ってことはB型さえ存在しなければ何もかもきちんとして過ごしやすい人ばかりの世界になって人類は次なるステージに・・・(←キケン思想だ!!!)。

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